転職エージェントによって差が大きい
転職市場が成長している影響で転職エージェントが乱立しているため、優秀なエージェントとダメなエージェントが玉石混交状態です。
転職エージェントは、人材を企業に紹介すれば企業から仲介手数料が入って利益を上げるビジネスモデルです。
その仲介手数料の額は、なんと採用時の年収の3分の1ほどです。
つまり、人材を年収600万で紹介に成功すれば200万ももらえるんです。
だから、転職業界は儲かると考え、スキルも経験もないのに悪徳エージェントもあります。
そんな悪徳の転職エージェントに出会ったら転職が失敗してしまいます。
逆に優秀なエージェントに出会えれば、転職が成功する確率がグンと高くなります。
具体的に優秀な転職エージェントに出会った時の3つのメリットから紹介します。
優秀な転職エージェントに出会えた時の3メリット
1,自分でも気づいていなかった適した企業を紹介してくれる
今までメーカーの経理でしか働いたことがなかったからそれ以外の世界を知らないんだよね
世の中にはたくさんの職業、仕事がありますが、人は自分の経験した範囲でしか考えられません。
頭の中でいろいろな仕事があると分かっていても、視野が狭くなってしまって自分の知っている範囲でしか考えなくなってしまうのです。
優秀な転職エージェントに出会えれば、求職者の経験とスキルから根本的な強みを見つけ、あなたの強みが活かせるさまざまな業種、職業を紹介してくれるので、思いがけない選択肢に気づけます。
また、経験してきた仕事と似た企業の求人でも働き方や会社の理念が個人の働き方の考えとズレていると発生するミスマッチを防いでくれます。
2,書類選考や面接に合格しやすく内定を取りやすい
書類選考ではバカ正直に書き過ぎて、面接は自己評価が低すぎてうまくアピールできないんです
優秀な転職エージェントには優秀なキャリアアドバイザーが集まっています。
転職エージェントを使うメリットは、履歴書、職務経歴書の書き方から、面接の対策まで行ってくれることです。
推薦文と呼ばれる、あなたを会社にアピールする文章もあなたの能力とスキルがちゃんと伝わるように書いてくれます。
また、実際に企業の求人のニーズを的確に把握しているので企業からの信頼も厚く、
『このアドバイザーが推してくれるなら間違いないだろう』
と応募した時点でプラスの評価を得られます。
3,入社を急かさず、理想のキャリアに沿った企業を提案してくれる
内定を得られても本命の会社から内定が取れるまでじっくり転職活動したいです
一般的に転職エージェントは、入社が決まった時点で企業からの報酬の発生が確定します。
そのため、内定をとった求職者には入社を急かしてくるキャリアアドバイザーがいます。
しかし優秀な転職エージェントは、あなたのキャリアと企業側の採用支援のバランスを取って的確なアドバイスを提案してくれます。
企業側にとって一番避けたいのは、転職エージェント経由で入社した人材がすぐに辞めてしまうことです。
そうならないように丁寧に求職者の希望を聞き、企業の採用条件とマッチしているかをチェックします。
その上で内定を受けるべきかどうかを提案してくれます。
では、いよいよ優秀な転職エージェントの条件と最悪な転職エージェントの条件を紹介します。
実際に人事部として採用を担当し、転職エージェントとやりとりしていたからこそ分かった情報を公開します。
優秀な転職エージェントの7つの条件
転職支援の実績が豊富
数より質だという人もいますが、圧倒的な数があってこその質です。
転職支援の実績が豊富な転職エージェントほど優秀であることは間違いありません。
転職支援の実績を測るには、求人数と社歴を見ることが一番です。
求人案件を紹介するだけでなく、キャリア相談にも応じてくれる
転職は内定を取って就職すれば終わりではありません。
入社した会社がその人のキャリアに合っていなければ、数年以内に退職してまた転職することになります。
転職で必要なことは、1人1人の希望するキャリアに沿った求人を紹介することです。
だから求職者のキャリアについての相談に応じることは絶対条件です。
あなたが志望する業界、職種の情報に精通している
志望する業界、職種について詳しくないと的はずれなアドバイスになってしまいます。
もし、担当のキャリアアドバイザー本人が詳しくなかった場合、詳しいアドバイザーから聞き取りを行った上であなたにアドバイスしないといけません。
『私は詳しくないんで分からないです』
と公言するエージェントは避けましょう。
企業へあなたを売り込む営業スキルが高い
求職者のヒアリングがしっかりできて、求人案件をたくさん抱えていたとしても肝心のあなたを企業へ売り込む営業スキルが低いと転職エージェントを利用する意味がありません。
転職エージェントを利用する最大のメリットは、あなたが内定を取れるように企業にアピールしてくれることです。
キャリアアドバイザーの質が高く、質の良い求人案件を持っている
キャリアアドバイザー自身があなたの希望を聞き出し、正確にキャリアを把握し、あなたに見合った企業をたくさん紹介できるできることが優秀の証です。
質の良い求人とは、残業時間が多かったりパワハラがあるようなブラック企業ではない会社であることです。
大手の転職エージェントでは、企業の調査をしっかり行うのでブラック企業が入り込むことは殆どありません。
ただ、中小零細の転職エージェントでは、こういったブラック企業の案件が混ざっていることがよくあります。
頻繁に企業へ訪問し企業の情報を保有している
会社が求める人材を適切に把握するだけでなく、社風や業界の特徴をよく知っていることが大切です。
求職者の話を聞くことは仕事の一面でしかありません。
求職者の転職支援と会社の採用支援の両輪を回して社内で情報共有できている転職エージェントこそ優秀です。
担当のキャリアアドバイザーのレスポンスが早い
優秀な転職エージェントは間違いなくレスポンスが早いし丁寧で正確です。
求人は早いものがちになることがよくあります。
ほんの1時間遅れただけで、応募が多くなって求人が締め切られるということはよくあります。
だからいつ、どの会社の求人に応募して、その結果どうだったのか、こういったコミュニケーションは迅速で正確であることが転職業界では大切です。
最悪な転職エージェントの7つの条件
では、逆に最悪な転職エージェントの条件を紹介します。
初回面談でのヒアリングが雑で、いきなり求人案件を出してくる
私が転職活動していたころ、キャリアアドバイザーに会って希望のキャリアのヒアリングも無しにいきなり、『こんな求人がありますが、興味ありますか?』と言われたことがあり、びっくりしました。
こういう転職エージェントは、案件を紹介することだけが仕事だと思いこんでいるダメなエージェントです。
他の求職者の方の情報をべらべらと語る
他人の求職状況は気になるところですが、それを聞かれたからと言って答える転職エージェントは絶対に信用してはいけません。
個人情報を保護しようとする気持ちがなく、法令遵守の考えも無いダメ会社です。
でも、他人の話が聞けて嬉しいと思ったら逆で考えてください。
あなたの転職状況も他人に筒抜けということです。
内定が出やすい求人ばかり紹介してくる
内定が出やすい求人とは、年収が平均よりも低く、休暇が取りにくい待遇の低い案件だったり、社員の出入りの激しいブラック企業だったりします。
そういった企業の内定をもらえても数年以内に不満に思って退職することは間違いありません。
とりあえず内定を取れば勝ちだと思いこんでいる転職エージェントです。
レスポンスが遅くこちらから連絡しないと連絡してこない
とにかく転職業界でレスポンスが遅いのは最低です。
同じ求人案件を他の転職エージェントから紹介された場合、キャリアアドバイザーに連絡して返信を待って応募するかどうかを決めることはよくあります。
それなのにレスポンスが無いと行動できないんです。
メールの返信はどんなに遅くとも24時間以内が大原則です。
根拠もなく個人的な思い込みでアドバイスしてくる
私が実際に転職活動していた頃に会ったキャリアアドバイザーの体験ですが、
『その業界はキツイですよ~』
と言うので
『具体的に残業はどれぐらいですか?』
『有給の消化率は?』
など突っ込むと、
『いや、詳しくは知りません』
とのことでした。
いやいや、個人的な思い込みでアドバイスしちゃダメだろう。
今でも業界を思い込んでアドバイスしているアドバイザーは本当にたくさんいます。
そういう人には根拠をデータで提示してもらうようにしましょう。
求人の仕事、業界の内容に対して知識が浅い
自分が希望する求人の仕事、業界について知識が浅いエージェントは避けましょう。
知識が浅いエージェントのアドバイスを鵜呑みにして来社して来た求職者と面接したことがありますが、面接時の服装も業界の研究も不足していてまったく検討対象になりませんでした。
大手でないのに広告掲載が多い
大手の転職エージェントは転職を成功させる数も多いので資金も潤沢にあります。
だからこそ広告をガンガンだせます。
しかし、企業からもらえる手数料が大きいとは言え、中小零細の転職エージェントが広告を出せるほどではありません。
そんな中小零細のエージェントがいろいろなところで広告を出していたら要注意です。
広告費がキャッシュを圧迫し、利益を稼ぐために数少ないキャリアアドバイザーにたくさんの求職者を付けて、求職者の転職支援が手薄になってしまってます。
実際に人事部で採用面接をしていた頃、電車内の釣り革広告で急に目立つようになった転職エージェントを利用した求職者と面接した時に、転職エージェントの愚痴を聞かされた事があります。
優秀な転職エージェントを見分けるための4つのチェックポイント
1,希望する業界、業種、職種に強い転職エージェントか?
最初の面談の時に業界関係者にだけ通じるネタで質問してみましょう。
これは意外と有効です。
転職エージェントを試すように質問すると相手も気分が悪いと思うので、雑談の中でシレッと質問してみることです。
適当な相槌を打ったり、知ったかぶりするようなら希望する業界、業種、職種に精通していないということが分かります。
2,扱っている求人件数が多いか?
どんなにキャリアアドバイザーが優秀であっても、扱っている求人の件数が少ないと、自分に会った転職先を紹介できません。
あなたが登録している企業の独占求人と非公開求人の合計数を確認しましょう。
3,面談のたびに以前の相談を忘れていないか?
面談するたびに、『前回、どんな事を話してましたっけ?』と聞いてくるキャリアアドバイザーは最悪です。
キャリアアドバイザーは、面談のたびにレポートをまとめて記録を残しておくのが通常です。
そんな基本的なこともできていないアドバイザーがいる転職エージェントはすぐに辞めましょう。
なお、このパターンの転職エージェントでは、忘れていることをごまかすために話をすぐに切り替えようとしてきます。
なんか気づいたらいつも話をそらされてるなと思ったら、怪しいと疑いましょう。
4,面倒くさそうに対応してこないか?
私が転職活動の時に利用した中堅の転職エージェントの担当キャリアアドバイザーは、話し方もお辞儀の仕方も全てが面倒くさそうでした。
正確には早く切り上げたいという気持ちが行動に出ていました。
面談が終わってエレベーターホールまで見送ってくれるのは丁寧なのですが、私の前を小走りで歩いてエレベーターが開くと私が振り向いて頭を下げようとする前にすでにそのキャリアアドバイザーは頭を下げ終えて帰ろうとしていました。
すごく粗雑に扱われた感がありました。
実際に面談の時も相談というよりも、説得になっており自分の指示に従えという対応がとてもストレスでした。
5,知名度・ブランドはあるか?
知名度・ブランドのある企業は優秀な転職エージェントである確率が高いのは事実です。
なぜならダメな転職エージェントなら、知名度もブランドも築けるはずがないからです。
転職の業界はシビアです。
企業の人事部が互いに情報交換しあっていることもよくあります。
実際に私がいたメーカーでも上場企業の人事部長と定期的に会合を行って転職エージェントの話題がのぼっていました。
転職エージェントの仕事を知ると、優秀な転職エージェントの見分け方もより一層、深く理解できますので、紹介します。
転職エージェントの仕事は転職支援及び採用支援の2つ
転職支援とは
転職者の過去のキャリアを踏まえてスキルと経験を洗い出し、今後のキャリアを聞いてその人にあったふさわしい企業の内定を取るために履歴書、職務経歴書の書き方から面接の対応までをサポートすること
採用支援とは
採用企業がどういった人材をいつ、何名求めているのかを調べてふさわしい人材を紹介することで会社の人材戦略に貢献すること
この両輪が転職エージェントの仕事です。
そして、この両輪は1人のキャリアアドバイザーが両方行っているのか、別々の人が行っているのかでまた違いがあります。
ワンフェイス型とツーフェイス型の違い
ワンフェイス型:1名の担当者が求職者の転職支援を行いつつ企業の採用支援も行う方式
ツーフェイス型:求職者の方の転職支援を行う担当者と、企業の採用支援を行う担当者が別々になっている方式
ワンフェイス型のメリット
採用支援を行っている会社の求人情報を直接ヒアリングした上で求職者の転職支援を行えるので採用企業と求職者のミスマッチが少なくなる
ワンフェイス型のデメリット
1人で企業を回って、求職者と面談するため時間に制限があり、回れる企業の数が少なく、求職者にもゆっくり時間を取れず対応が雑になることがある
ツーフェイス型のメリット
転職者を支援するキャリアアドバイザーと企業の採用を支援する営業担当で業務が分担されているので、1人の担当者が抱える仕事量が減ることで、求職者へのフォローが充実し、求職者との面談、相談にじっくり時間をかけられる
企業を回る別の担当者が企業情報をたくさん入手してくれるので企業の比較がやりやすい
ツーフェイス型のデメリット
キャリアアドバイザーと営業担当のコミュニケーションが不足していると正確な情報が伝わらず、求職者に的確なアドバイスができないことがある
おすすめ:ツーフェイス型でコミュニケーション能力の高い転職エージェント
ワンフェイス型とツーフェイス型にはどちらもメリットデメリットがあります。
ただ、人事部としてワンフェイス型のエージェント、ツーフェイス型のエージェントの両方活用した経験にもとづいて、おすすめの型を言いますと、
『ツーフェイス型でコミュニケーション能力の高い転職エージェント』です。
これに該当するのがリクルートエージェントやDODAです。
この2トップはとても信頼度が高く、優秀と断言できます。
リクルートエージェントやDODAが優秀だと思った要因は、定期的にキャリアアドバイザーが営業担当と同行して訪問したり、または、求人企業を転職エージェントの社内に招き、複数のキャリアアドバイザー相手に求人のプレゼンをしてもらい、情報交換の場を設けているためです。
実際に、私の会社もどんな人材が欲しいかをそれぞれのエージェントを呼び出して、こちらが望む人材についてプレゼンしました。
1回や2回ではなく、少なくとも半年に1回以上を定期的に行うことで担当者とキャリアアドバイザーの両方に会社のことを知ってもらう機会を設けました。
この地道な活動により、転職エージェントやキャリアアドバイザーは企業との関係を構築して、求職者のみなさんの転職支援に貢献できるようになります。
転職エージェントを使いこなす10つのポイント
元人事部だからこそ転職業界の裏も表も全てを知りつくしています。
転職エージェントを徹底的に活用して転職を成功させるための10のテクニックを紹介します。
1,転職エージェントは3社以上を掛け持ちする
転職エージェントごとに持っている求人の数と業界は全然ちがいます。
最大手のリクルートエージェントを頂点に準大手のDODA、パソナキャリアと続きます。
それぞれ特徴があり、サポート体制も違います。
さらにエージェントは1社だけしか登録していないと、対応が良いのか悪いのかも判断できません。
他社の対応と比較するから良い悪いが分かります。
人生で何度もあるわけではない転職で失敗しないためにも最善のエージェントを選択できるよう必ず3社以上に登録してください。
2、転職エージェントのキャリアアドバイザーになった経緯を質問する
キャリアアドバイザーと初めての面談の時は、アドバイザーは色々と雑談をしながら本音を探ろうとしてきます。
そこにあえて乗っかかってアドバイザーになった経緯を質問しましょう。
この質問の意図は2つあります。
- 転職しようとしている人を真摯にサポートする意欲があるか
- アドバイザーとしての経験はちゃんとあるのか
1,転職しようとしている人を真摯にサポートする意欲があるか
ハッキリ言ってキャリアアドバイザーで1000万以上の報酬を得ている人はたくさんいます。
だからお金のためにアドバイザーをやっている人はかなりの数でいます。
別にお金のために仕事をするのは悪いことではないんですが、キャリアアドバイザーになった理由を聞いた時にお金のことを出す人は相当お金に執着していますので、あなたが内定を取ったら、あなたのキャリアにふさわしい企業かどうかよりも自分の利益を優先して内定承諾を急かしてくる可能性があります。
だから、お金を口に出したら用心するかアドバイザーを変更しましょう。
2,アドバイザーとしての経験はちゃんとあるのか
アドバイザーとしての経験は少なくとも3~5年ないと未熟です。
なぜなら、アドバイザーは転職希望者と面談したり求人を探したりすることが本来の仕事ではありません。
アドバイザーは実際に企業に足を運んでどういう人材がなぜ必要なのかを人事の担当者と腹を割って話すことが大切な仕事だからです。
会社が求める人材の裏も表も知り尽くしてこそ、ふさわしい人材を紹介できます。
ただ表面的な資格や経験を見ただけでは会社ごとにふさわしい人材かどうかわかりません。
それが分かるようになるのに3~5年はかかります。
だから経験が浅い場合はアドバイザーを変更するか他社のエージェントのアドバイスを参考にしましょう。
3、仕事の経験やスキルについては嘘をつかない範囲でしっかりアピールする
まず前提ですが、職務経歴書や履歴書で絶対に嘘をついてはいけません。
転職エージェントはあなたの仕事の経験やスキル、資格そして学歴を信用した上で企業に推薦してくれます。
もしそこに虚偽の記載があると、あなたとキャリアアドバイザーの間だけでなく、転職エージェントと企業の間の信頼関係を壊すことになり、最悪の場合、転職エージェントの利用を断られる可能性があります。
そして、こういった登録情報は基本的に一度登録すると記録が残ります。
そのため、数年経ってもう一度転職したいと思った際にも虚偽記載であることがバレるとエージェントを利用できません。
だから、嘘をつかない範囲でしっかりアピールすることです。
例えば、経理での経験が2年ぐらいと短く、精算書まではほぼ間違いなく作れても決算書までは作れない場合、
決算書の作成経験があります
と書くと虚偽記載になりますが、
帳簿入力から精算書までを担当しほぼミス無くキッチリと仕上げることに関して上司から信頼されていました
と書くのです。
決算書の作成経験無しと書くとマイナスアピールに繋がりやすくなりますので、精算書までは十分に作るスキルがあると書くとプラスのアピールになりますし、嘘はついていません。
4、 エージェントが企業に出す推薦文は必ずチェックさせてもらう
転職エージェント経由で応募すると、あなたの職務経歴書と履歴書と併せて『推薦文』というエージェントが作成したあなたをもうひと押しするアピール文を付けてくれます。
このアピール文は、およそ作文用紙2~4枚弱、だいたい400~1000文字ぐらいの文章なのですが、経験の浅いエージェントや担当している人数が多いキャリアアドバイザーだとあなたが書いた職務経歴をそのまま書き写すだけというものや、もっとひどい場合だと勘違いしているケースがあります。
だから、キャリアアドバイザーには必ず次の一言を言って推薦文を確認させてもらいましょう。
私は自分の職務経歴についてうまく伝えられたか不安がありますので、面接時に相違が無いように一度、私の方で拝見させて頂きたいため、書いていただいた推薦文をメールで送って頂けますか。
ポイントは、メールで送ってもらうことです。
その場で見るだけだと、自分で修正できないためです。
ちなみに私が人事として推薦文を見ていた時に、これはないなと思ったひどい推薦文を紹介します。
詳しくは直接、面接で確認ください。
人事の採用担当としてこの推薦文を見た時に笑ってしまいました(笑)
実際に会ってみると非常にスキルの高い方だったんですが、業務内容が経験のある人でないと理解し難いのでキャリアアドバイザーはとりあえず適当に書いたのだと思われます。
こんなことにならないようしっかりプッシュしてもらうために自分で推薦文をチェックするのを忘れないようにしましょう。
5、あなたの優先順位を上げるために『良いところがあればすぐに転職可能』と伝える
キャリアアドバイザーにとって嬉しくないのはダラダラと面接を繰り返していつ転職したいのか明確でない人です。
なぜなら転職エージェントにとって売上につながるのは『転職先が確定した時』だからです。
内定を得て、内定に承諾した時に、転職先の企業からお金をもらえます。
それまでは、いわばボランティアのように尽くしているんです。
だから、すぐに転職したいという意欲の高い人を優先的に対応したがります。
これは人事としてもよく経験があります。
実際に担当のキャリアアドバイザーから電話をもらうこともあるんですが、
○○さんよりも□□さんの方がすぐにでも転職できますからおすすめですよ。
と言われたことがあります。
つまり□□さんを推してるんだと分かりますのでこちらからも□□さんを先に面接に回すことになりました。
だから成果報酬主義のキャリアアドバイザーの気持ちを逆手に取って、最初に担当についてもらった時に必ず聞かれる『転職時期はいつ頃が希望ですか?』と聞かれたら、『良い所があればすぐに転職したい!』とハッキリ答えるようにしましょう。
6、1週間に1回は必ずエージェントに連絡するもしくは登録情報にログインする
人事にいた頃の担当のキャリアアドバイザーに聞いて知ったことなのですが、転職エージェントでは求人を出している企業側から人材の依頼を受けると、転職者の登録データの中から企業の希望条件に該当する人材を検索して、その人に企業側からの求人内容を伝えて応募の可否を確認します。
その際、該当する人材の数と企業側の募集人数を見て、まずは10名に一斉にメールで連絡し、応募が少ないもしくは無い場合は次の10名に一斉連絡する仕組みになっています。
その人材を検索する際、どういう順序で人材が並んでいるかというと、キャリアアドバイザーとの連絡を取った日順なんだそうです。
もちろん連絡を取った日、もしくはログインした日が新しい人ほどキャリアアドバイザーの目に着きやすい上位に並びます。
これはシステムでこのように決まっているそうで、キャリアアドバイザー側で操作してどうこうできないと言っていました。
この理由はシンプルで、キャリアアドバイザーと長らく連絡を取っていないと転職を決めた可能性が高いと判断するからです。
そして通常は3ヶ月連絡をとっていないと休眠マークが着き、半年以上連絡をとっていないとデータベース上に表れなくなるそうです。
だから1週間に1回以上、連絡を取っているとキャリアアドバイザーの目に止まりやすくなり、求人の連絡も入りやすくなりますのでライバルよりも早く求人情報をキャッチできるようになります。
自分で積極的に会社を探すのも悪くないですがせっかく転職エージェントを使っているなら、気になる求人があったらエージェントにメールで確認するほうが更新日も新しくなり、優先的に紹介してもらえるようになります。
7、担当のキャリアアドバイザーのアシスタントにも丁寧に接する
担当のキャリアアドバイザーは1人で転職希望者をフォローしているわけではありません。
通常は1~2名のアシスタントが付いています。
キャリアアドバイザーの仕事は、企業の求人条件を調べること、転職希望者と面談することが主な仕事です。
アシスタントの仕事は面接の日程と場所の調整が主な仕事です。
ただ忙しいキャリアアドバイザーの場合、転職希望者との面談を優先し、企業の求人情報を調べてマッチする人を探すという仕事をアシスタントに任せている人もいます。
だからアシスタントだからと、軽く扱ったり、無礼な態度を取ると気分を害されて求人情報を他の人に流すということもありえます。
アシスタントは、仕事がまだ未熟だからアシスタントなんです。
実際にミスをすることもあります。
私自身が転職活動をしていた際に、あろうことか面接の場所を間違えていたということがありました。
あきれて愚痴ってしまいましたが、それからメールの連絡が非常にドライになってしまった記憶があります。
だからアシスタントもあなたをサポートしてくれる1人の人間として礼儀正しく紳士的に接しましょう。
8,どうしても合わなければ担当者の変更を依頼しましょう
転職エージェントはたくさんのキャリアアドバイザーを抱えています。
もちろんキッチリとした研修と経験を持っていますが、1人1人が自らの個性を持って対応しています。
だから、アドバイザーがあなたのためを思って対応してもあなたにとっては不快に感じたり、業界について知識が薄かったりすることはありえます。
そういう時は気軽にアドバイザーの変更を申し出ましょう。
あなたが思っているほど転職エージェントは、担当者の変更を重大視していません。
変に義理固く、最初の担当者に依頼し続ける理由はありません。
大切なことはあなたの転職の成功です。
そのためにふさわしいアドバイザーがつくことが最優先です。
実際に私も転職活動していた頃に担当者を変更してもらった経験があります(笑)
その時のメールの文面をそのまま記載しますので参考にしてください。
担当者の変更メール例
いつもお世話になっております。
○○です。
現在、○○様にご担当頂いており、非常に丁寧にかつ真摯にご対応頂きとても感謝しております。
ただ、少し私の希望する業種についてもう少し経験のあるアドバイザーの方にご担当頂きたく、お手数ですが、一度他のアドバイザーをご紹介頂けますでしょうか。
なお、○○様の対応に不満があるわけではありません。
私の希望する業界は少し理解が難しいためよく知っている方の方が話は通じやすいと思いました次第です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
この文面を転職エージェントのお問合せ窓口へ送ります。
担当者の変更の依頼メールのポイントは3つです。
1,担当者の変更を希望していることが明確にわかるように書く
2,現在の担当者の不満を書かない
3,現在の担当者へのお礼も含めておく
この3点の理由は、担当者変更の依頼メールは担当者も読むからです。
これは実際に担当のアドバイザーから直接聞きましたので間違いありません。
なお、担当者を変更してもあまり対応が変わらない時は、なにも告げずそっと他社の転職エージェントを当たりましょう。
9,同じ求人案件に同時に他の転職エージェントから応募しない
人事部の採用担当をしていると、たまに驚くことがあります。
まったく同じ応募者が同時に複数の転職エージェント経由で応募がある時です。
こういう時、まちがいなく人事部としては、エージェントに連絡します。
『○○さんだけど、御社とA社の両方から応募があるよ』
この連絡が入るとエージェントのアドバイザーは、応募者に確認の上、最悪の場合、そのまま破断になって、強制退会させられる場合もあります。
エージェントを利用する時のマナーとして、同じ求人案件に他のエージェントから同時に応募しないというのは常識です。
これはエージェントを利用する際の契約書にも記載されています。
この問題が起きるケースではほとんどの場合、転職希望者のケアレスミスです。
複数の転職エージェントから同じ案件の依頼が来た時に、一社に依頼していたのに忘れて依頼をかけてしまう場合です。
1回ぐらいなら謝れば大丈夫でしょうが繰り返すと強制退会になりますので本当に気をつけてください。
あと、人事部としても自己管理ができていない人と考えて心証は最悪になります。
10、内定が出たら他社のエージェントに他に自分にあった会社があるか確認する
内定が出たらすぐに内定承諾を送る、というのはエージェント側からすると模範的な顧客の対応ですが、あなたの人生にとってはそれで良いかどうかは別問題です。
キャリアアドバイザーによっては内定が出たらさっさと承諾して欲しいと考える人と、もっと自分にふさわしい会社があるので、保険として内定は残しておいてそちらを狙おうと言ってくれる人がいます。
大切なことは目先の待遇だけでなく、自分のキャリアにとって冷静に考えて最善の選択ができるかどうかです。
内定を辞退した場合、転職エージェントは企業側に内定辞退の意思と謝罪を伝えないといけません。
実際に転職エージェントのアドバイザーに内定辞退の連絡をする時の気持ちを伝えると、
『虚無感7割と悔しさ3割』と言ってました。
自分がアドバイスして勝ち取った内定なのに辞退されるとそれまでの努力が何だったんだと思うそうです。
そりゃそうですよね。
でも、彼らも仕事なんですぐに切り替えます。
あなたもエージェントに気を使って乗り気じゃないのに内定を受け入れると後悔するかもしれません。
だから、内定が出た後はそのまま受け入れるんじゃなくて、ちゃんと客観的な意見をもらうために他社のエージェントに相談しましょう。
これは、自分のキャリアに対して妥協せずに意思決定をするためにとても有効なテクニックです。
まとめ:理想は3つ以上の転職エージェントに登録
いかがでしたか。
転職エージェントをうまく活用して転職を成功させたいなら、転職エージェントを掛け持ちして使うことが大切だと気づいて頂けましたでしょうか。
転職エージェントは、一切お金がかからない完全無料のサービスです。
にもかかわらず、あなたの転職のサポーターとして就職先が決まるまで親身にサポートしてくれます。
だからまずは以下の総合転職エージェントの中から2社、希望の業界に強いエージェントに1社、合計3社以上に登録しておきましょう。
その上で、同時に3社以上に登録し、実際にエージェントを訪問して面談を行い、エージェントのアドバイザーの質を見極めましょう。
おすすめは、次の3つです。
企業や転職市場の正確な情報を握っている日本で最大の転職エージェント会社のリクルートエージェント
リクルートエージェントの次の求人数を持っているDODA
サポートが手厚いパソナキャリア
私も転職の際はたびたびお世話になりました。
この中でもまずはリクルートエージェントを一番おすすめします。
転職にふさわしい時期かどうか、どんな求人があるかを非公開求人なども教えてくれて、最大の求人数を持っているためです。
そのためまずはリクルートエージェントに登録すべきです。
もし、正社員の経験が1年未満ならリクルートエージェントと合わせて、職務経験が短い第二新卒を専門に転職支援しているリクルートグループの『就職Shop』を活用しましょう。
リクルートエージェントに登録する5つのメリット
1、業界最大級の非公開求人数
転職活動を進めるにあたって重要な要素である「求人数」。
リクルートエージェントでは一般公開している求人の他、10万件以上の非公開求人を取り揃えています。
応募が殺到しすぎるから、企業戦略上一般公開できない重要求人だからなど、非公開にせざるを得ない魅力的な求人に出会うことができます
2、実績豊富なアドバイザー
転職の相談相手は、誰でも良いというわけではありません。
業界や業種によって、転職に必要な情報や知識は異なります。
リクルートエージェントは、各業界・各業種に精通したキャリアアドバイザーが、求職者の希望やスキルに沿った求人を、厳選して紹介くれます。
3、充実した転職サポート
リクルートエージェントのアドバイザーは、求人紹介をするだけではありません。
提出していただく職務経歴書・履歴書などの書類の添削、独自に分析した業界・企業情報の提供、志望企業への推薦など様々な転職サポートをしてくれます。
他にも参加者の80%以上に満足していただいている、リクルートエージェント主催の「面接力向上セミナー」にも無料で参加可能です。
4、内定辞退も受託お任せ
一度、転職した方ならわかりますが、内定を得る会社も『保険として受けた滑り止めの会社』から『第一志望の会社』までさまざまです。
第一志望の会社から内定を得たら滑り止めの会社は断るのですが、一人で転職活動を行うと自分で断りの連絡をいれないといけませんが、説得されたり何度も連絡が来ると結構ストレスです。
リクルートエージェントを活用すれば、そのような手間もすべてリクルートエージェントが代行してくれます。
5、年収交渉もお任せ
リクルートエージェントの担当者はとても熱心に転職者を売り込んでくれます。
そのため年収交渉も行ってくれるので希望の年収よりも上がることもよくあります。
元人事部での経験から言っても、書類や面接では伝わらない転職者の良さをしっかりと伝えてくれるので助かりました。
転職サイトは登録無料なうえに数分の登録作業だけ行っておけばあなたの条件にあった新規求人や転職可能なおすすめ求人がメールで届くから、今すぐに転職できなくても登録だけはしておくべきです。