学校や会社の標準服として着用する制服。
その組織のなかの指定服だからこそ、組織外に出れば着なくなってしまうのが、この制服の特徴です。
例えば、学校の場合は転校や卒業、会社の場合は退職やモデルチェンジなど。
今のエコが叫ばれている時代で、「まだ着れるものを捨てたくない」という方もいるのでは?
そこでこの記事では、着なくなった制服を寄付によって、次に繋げる方法をご紹介していきます。
着なくなった制服の活用方法
学生服は、卒業後着ることは殆どありません。
部活ジャージなどであれば、卒業後も部屋着として使えたりしますが、制服は動きづらいし、家でも着ないですよね。
そのような着なくなった制服の活用方法には、一体どのようなものがあるのか、以下からご紹介していきます。
リメイクして残す
「思い出として残す」方法として一番おすすめなのがこのリメイクです。
費用は数万円/式とかなり高いですが、ミニチュア化させて、学生時代の思い出を手元に残すことが出来ます。
昔から大事にしていたぬいぐるみや、Disneyのダッフィーに着せたりする人が多いよう。
最近では、ミニチュア化以外でも、ポーチやトートバックにするリメイクも出てきています。
これだと自宅に飾っても可愛いし、実用的にも使えて嬉しいですよね。
売って新しい生活の資金にする
学校や企業の指定服である制服を着なくなるということは、新たな生活の幕開けが待っている、という人が大半でしょう。
特に学校の卒業後は、次のステップに向けた準備で、お財布事情が大変な時期です。
例えば、高校卒業後の大学入学費用や、一人暮らしを始める人はの調達や敷金礼金費用など。
そんな時、使ってきた制服を売ることで、新しい資金の足しになるでしょう。
但し、制服販売ときに女子学生に注意してほしいのが、そのお店が安全なお店か、ということ。
「着用してる写真を送って」とか「汚いままでいい」と言ってくるところは、ブルセラ店の可能性があります。
買取店を選ぶときは、公安委員会の認可を受けて営業する、男女どちらの制服も扱う、リユース目的のお店から選ぶのがおすすめです。
知り合いの後輩に譲る
ママさんコミュニティのなかで、制服の譲り合いの話が出ることもあるはず。
もし下級生や次の新入生の親御さんから、あなたの制服を『ほしい!』という人がいたら、譲ってあげるのも非常に良いリユース方法でしょう。
相手家族から感謝もされますし、どこかお店に売るより、確実にリユースしてもらえます。
寄付する
上記の「譲る」に近いですが、ここでは、制服を回収している団体や機関に制服を無償提供すること、としてご紹介します。
この「寄付」には、下級生へのリユース目的の寄付に加え、発展途上国への衣料譲渡支援もあります。
リユースの場合は、団体を通して、金銭的に苦しくて、制服購入に困っている家庭に譲られます。
しかしものによっては、制服の状態の問題などで、リユースで貰い手が見つからない場合もあります。
それらは、廃棄されるのではなく、団体の手で発展途上国に寄付されたり、ポリエステル100%の衣料はリサイクルにまわされたりする場合が多いよう。
日本人の元々の「モッタイナイ」文化と、SDGsの時代の後押しもあり、慈善活動の輪が広がっているのかもしれません。
制服(学生服・企業制服)を寄付できる場所
普通の一般衣料なら、よく古着回収している場所を見ることもあります。
しかし、制服は、一体どういう場所で寄付を募っているんでしょうか?
以下からご紹介していきます。
学校PTAによる活動
学生服の一番多い寄付先は、学校PTA活動による下級生への寄付でしょう。
筆者の中学校でもありました。
卒業生のPTAの呼びかけで集められた制服を、新入生の親御さん宛に無料配布会を行っていました。
寄付する側も無料で出し、譲り受ける側も無料で貰えるので、双方の費用負担が一番抑えられる方法だといえます。
自治体
自治体や自治体ボランティア団体が、学生服の寄付を募っている場合もあります。
地域内の活動のため、寄付制服は自治体内の対象の学校の制服に限られています。
NPO法人・社会福祉法人
ボランティア団体の活動範囲は広く、地域の制服購入に困っているご家庭を支援をする団体もあれば、海外の発展途上国への物品支援の団体もあります。
自分の支援したい先に送ることが出来るのが、この寄付の良い点。
寄付方法は、地域密着型の学生服寄付活動の場合、そのまま団体に持ち込んだり、街中に設置された寄付BOXに投函するなどがあります。
一方、制服に限らず古着などの使える物品を集めて海外の途上国へ支援する団体の場合は、寄付する人が宅配キットを数千円で購入し、荷物をボランティア団体に送ることで寄付出来るところが多いです。
この場合、送付する物品だけでなく、宅配キットの一部がその団体の運営資金や募金にまわる仕組みになっています。
制服リユースショップ
営利目的の制服リユースショップでも、寄付を募っているところはあります。
そもそもリユース学生服は、安いからこそ次の世代の子が買ってくれるもの。
大体が買い取ってくれたとしても、数百円/着程度とあまり高くはありません。
地域貢献という意味で、営利目的のお店に制服を寄付に持ち込む人も多くいます。
百貨店・GMS・アパレルショップ
イトーヨーカ堂・ZARAなど、古着回収を行っているところがあります。
これらは常設ではなく、期間限定で行っていることが多いです。
買い物ついでに自宅の要らない洋服を引き取ってもらえたら、スペースが空いた分、新たなお買い物もしやすくていいですよね。
寄付された制服(学生服・企業制服)はどこに役に立つ?
上記では、制服を回収している先を紹介しました。
ではその回収した制服は、実際どこに役に立っているんでしょうか。
以下からご紹介していきます。
制服を次着る人
まず一番は、あなたの寄付した制服を次に着るこどもとその家庭が助かります。
国立社会保障・人口問題研究所の2017年の調査では、子どもがいる世帯の16.9%が過去1年間に、経済的な理由で必要な食料や服を買えなかった経験があると回答しています。
制服にかかる費用は、公立でも、中学で5万円程度、高校で8万円程度かかると言われています。
中には、制服が買えずに、入学式に欠席した、という生徒もいるほど。
家計が苦しい家庭にとって、制服を無料でもらえるというのは非常に有難いことなのです。
制服リユース事業による雇用創出
ボランティア団体が制服の寄付活動を運営している場合、その作業の担い手の雇用を生む貢献も出来ます。
例えば、日本で、障がい者に洋服の選別を依頼して賃金を支払ったり、海外の途上国で支援物品の販売をしてもらうことで雇用やその人たちの利益をを生んだりなど。
団体によって仕組みはそれぞれ異なりますが、多くの団体で、1つの古着寄付から、何段階にもわたって支援出来る仕組みが出来ています。
これだと、寄付する側も貢献感を感じられて嬉しいですね。
企業のCSR
モデルチェンジや新調着なくなった制服を、会社でまとめて回収し、ボランティア団体に寄付することで、企業のCSR活動にしているところもあります。
CSRとは、企業が組織活動を行うにあたって担う社会的責任のこと。
現代では、企業のイメージアップに、なくてはならない活動になっています。
地球全体の環境保全
ゴミで出さずにリユースすれば、その分二酸化炭素の排出は減ります。
それだけではなく、最近では繊維のリサイクルも活発に行われるようになってきました。
上記でご紹介したイトーヨーカ堂もZARAの古着回収は、繊維のリサイクルのため。
環境への影響力がある大手企業だからこそ、CSRの観点でも求められていることなのでしょう。
更には、近年アパレル業界ではサステナビリティが大きなテーマになっています。
それにより、リサイクルポリエステルの需要が高まっており、イトーヨーカ堂・ZARAでは、回収した古着を自社のサステナブルな製品開発に役立てています。
制服を寄付する際の注意点
寄付も、何でも出せるわけではないところが多いです。
制服を寄付に出す際、注意しておきたいポイントをご紹介いたします。
アパレルショップの回収は「自社商品のみ」の場合がある
ユニクロは「RE.UNIQLO」という衣料品回収を行っていますが、他社品は扱っていません。
他社品だと、繊維の表記の仕方がまちまちだったり、繊維に成分不明な特殊加工がされていたり、選別やリサイクルが難しかしいためだと考えられます。
衣料品回収の中には「制服NG」もある
百貨店だと高島屋の衣料品回収では、制服は回収対象外になっています。
ボランティア団体でも、一部制服は対象外になっているところもあります。
回収対象商品をよく確認してから、寄付するようにしましょう。
まとめ
サステナビリティの浸透で、衣料品を含めあらゆるアイテムが率先してリユースされる時代になりました。
制服は、何年も着られるよう丈夫に作られているアイテム。
特に学生服のリユース需要は高く、回収先も学校PTAの活動や、自治体・地域のリユースショップなど、様々あります。
不要な制服をお持ちの方は、是非ご自身の自治体内で調べてみては如何でしょうか?