TOEICや英検は実際に使える英語ではないから勉強中しても意味無いじゃないか!
英語の教師をしていたころに年に20回は聞いていた言葉だ(笑)
もう聞き飽きるぐらいに聞いてきた。
なんで、TOEICや英検は意味がないと思うのか、その理由を考えてみた。
TOEICや英検は意味がないと考えてしまう2つの理由
身の回りでTOEICで800点以上や英検準1級以上取っている人がいたとしてもその人は、
1,洋画を聞き取れないから
2,発音が流暢ではないから
この2つだろう。
どういうことか1つずつ見ていこう。
1,洋画を聞き取れないから
私もTOEIC960点を取っているが、洋画を完璧に聞き取れるかと言えばまず無理だ。
なぜか?
簡単な話だ。
英語圏の文化と歴史が分からないからだ(笑)
洋画で話される英語は、アメリカ人が見て聞いて楽しむためのものなので、言い回しも単語も全てが英語圏の文化と歴史を知っていることを前提にできている。
だから、アメリカ人が理解できる言い回しでも、日本人など他の国の人からすると分からないという言い回しがたくさんある。
例えば一例を挙げてみよう。
次の文章でこの2人の会話がなぜ成り立つのか考えて欲しい。
どうしてあなたは同時に複数のことができるんですか?
だって私は聖徳太子の生まれ変わりだから。
この会話の前提にあるのは、次の2つだ。
1,聖徳太子・・同時に複数の人の話を聞き分けられる=同時に複数のことができる例え
2,生まれ変わり・・仏教の考えで転生輪廻=キリスト教には転生輪廻という考えはない
日本人にとっては当然のことでも、欧米人がいくら日本語を知っていたとしても、この2つの前提知識がないとそもそも単語の意味がわからない。
これと同じことだ。
日本語は日本の文化と歴史を前提として成り立っているように、英語も英語圏の文化と歴史を前提として成り立っている。
だから、洋画を100%理解しようと思えば、英語圏の文化と歴史を知っている必要がある。
そして、そんなことはできないから洋画が理解できないのだ。
2,発音が流暢ではないから
TOEICでハイスコア、英検で1級を取っても発音はベタベタでぜんぜん流暢ではない。
そもそも勘違いしている人が多いのが、英語の発音は1つじゃないということです。
英語はもはや、国際的な商談に使われる道具になりつつあるのでアメリカ人のネイティブな英語を話す人が少数になっている。
それぞれの国の人がそれぞれの国の発音で英語を話しているのが現実だ。
英語を話せない日本人からすると、フランス人やドイツ人が話す英語もアメリカ人のように滑らかに話しているように聞こえるかもしれないが、実はベタベタの訛がはいっている。
特にフランス人が話す英語は、フランス訛がキツイ。
スペイン人が英語を話すと、下を巻いたような発音が耳につく。
彼らの英語が滑らかに聞こえるのは、あなたが英語を知らないからだ。
TOEICでハイスコアや英検で難しい級を合格していても英語が使えないから無意味という理由が間違っているワケ
もう少しわかりやすくTOEICや英検の有効性を説明して見るために、水泳と英語を比較して考えてみよう
1,ビート板を使ってバタ足ができるようになることは無意味か?
2,プールで泳げるようになったら嵐の海でも泳げるのか?
1,ビート板を使ってバタ足ができるようになることは無意味か?
水泳を習い始めた子供が、ビート板を使って泳げるようになったらそれは重大な進歩だとは思わないか?
それとも、ビート板を使って泳げても実際に1人で泳げるわけじゃないから意味がないとあなたは言うのだろうか?
TOEICや英検は、ビジネスの現場で英語を使えるようになるために英語の勉強を続けてきた結果ではあるが、まだ途中だ。
だから、いわばTOEICや英検のハイスコアは、ビート板を使って泳げるようになったというレベルと同じだ。
そこがゴールではない。
そこからさらに磨きをかけて英語を使いながら身に付けていくことが大切だ。
2,プールで泳げるようになったら嵐の海でも泳げるのか?
また、プールで泳げるようになったら、水深100m以上の嵐の海で泳げるだろうか?
そもそも足がつかないという恐怖心から体がうまく動かない上に、波に飲まれてしまうだろう。
だからプールで泳ぐことに意味はないとあなたは考えるだろうか?
TOEICや英検は、アナウンサーのようにきれいな発音で聞き取りやすい場所での試験だ。
だから、結果を出しやすい。
でも、実際に英語を聞いて話すシチュエーションは、車の音があり、他人の声があり、音楽がある。
つまり、それだけ音を聞き取るのが難しいということだ。
誰でもそうだが、いきなりゴールに一足飛びにはいけない。
効率よく短期間でゴールに到達できたとしても、必ずそこに至るまでの途中の経過はある。
超荒波のような現場で英語を使えないからと言って意味がないと言い切るのは浅はかだ。
TOEICや英検は英語の総合力を確認するものではない
1,TOEICはビジネスに特化したリーディングとリスニングの確認
TOEICは知っての通り、リーディングリスニングに特化した試験だ。
しかもジャンルはビジネスに絞られているのでそもそもTOEICで高得点を取ったとしても、あらゆるシーンで話せるようになるわけがないのだ。
だから意味がない、と言うのは浅はかで、話せるようになり、書けるようになるには、読めることと、聞けることが前提だ。
TOEICはその英語の実践力を身につける前の基礎力を確認するための試験だ。
あなたがTOEICを評価していなくても、高スコアを取れば転職に有利なことは間違いない。
2,英検は日常会話での基本的な4技能の確認
英検は、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能が入っている分、TOEICよりも話す能力は身につきやすい。
しかし、内容が日常会話の範囲を超えないので実践的ではない。
そういう意味では、英語を学ぶ目的がビジネスに特化しているならまだTOEICの方が近しい。
では英検は意味が無いかというとそうではない。
英検で準1級以上を取れていたら、かならずTOEICでも900点以上は取れる。
つまり、どちらも英語の基礎力確認なのだ。
試験で測れる力量は、結局は基礎力の確認に過ぎない。
だから最高位の英語の資格を取ったとしてもそれは基礎力があることの証明であって英語をマスターした証拠ではない。
3,試験という性質上、慣れると高得点が取れるようになる
さらに付け足せば、試験という性質上、TOEICや英検は慣れてくると高得点を取りやすいというのもある。
この点は、テクニックになるのでたしかにビジネスとは無意味かもしれない。
でも、それは試験である以上、仕方のないことだ。
また、自然とテクニックが身についてしまっても、そもそも基礎力がしっかりしていないと高得点を取れることはないので、少々テクニックで得点が上がったからと言って、無意味と言い切るのは、これまたおかしなことだ。
まとめ:TOEICや英検の勉強は十二分に意味がある!
だから、TOEICであれ英検であれ、恥ずかしがらずに卑下すること無く、堂々と試験対策の勉強をすれば良いのだ。
結果的に高得点を取れるようになるためには英語の基礎力が絶対に必要だ。
基礎力もなしにテクニックだけで高得点を取れることは絶対にない。
ただし、高得点を取ったからと言って、そこで過信せず、ビジネスで使えるように勉強を続けることだ。
くどいようだが、試験で測れる英語の実力なんて基礎力に限られているのだから。
でも、やってはいけないのは、TOEICなんて時間の無駄だから英会話スクールに通おうとするのは最悪の発想だ。
TOEIC300点台の人が英会話教室に通う3デメリット
初心者(TOEIC600点以下)には費用対効果が悪い
英会話スクールは1レッスンあたりの価格が安い所で2,500円前後、高いところになると8,000円にもなる。
1レッスンは40-50分しかないから、英会話を学習する目的を絞って集中して勉強しないととてもロスの多いことが分かる。
英会話の1レッスンの価格はこんなものだろうという思い込みがあると1レッスンが2,500円だと『安い』と錯覚してしまいそうだが違う。
英会話教室に通う目的は、英語を話すためではなく、英語を習得するためということを忘れてはいけない。
そのために1レッスンが2,500円は初心者には非常に費用対効果の悪い投資である。
英会話教室に通うと英語を勉強した気分になる
英会話教室に通う重大な欠点が週1回、レッスンに通っているだけで英会話の勉強をできている気分になることだ。
英会話の勉強は週1回ではなく毎日継続しないと効果がない。
そのため、英会話教室で学んだ後、毎日何を学ぶのかを明確に分からないなら通ってはいけない。
ネイティブは英会話のプロであって、勉強法のプロではない
ネイティブが英会話のプロであることは当然だ。
ネイティブなんだから。
でも、ネイティブは英会話のプロであってもあなたに英会話を教えるプロとは限らないという当たり前のことに気づこう。
つまり、日本人が英会話を学ぶ際につまづくポイントをちゃんと把握しており、学習を進めるコツを先に教えることができるかどうかがポイントだが、英語の学習法を教えられるネイティブがいる英会話教室は聞いたことがない。
そのため、TOEIC600点以下の初心者は英会話教室に通うのはお金をムダにしてしまうということを断言しておく。
TOEIC800点以下の人が英会話を学ぶ際の3つの落とし穴
英会話教室の言い分は、2つある。
英語はコミュニケーションなので単語を覚えて文法を学んでも相手が何を話しているのかを聞き取って理解できなければ役に立たないんです。
だから、限られた時間の中で確実に英会話でのコミュニケーション力をアップさせるには英会話教室に通うのが最も効率的ですよ。
聞こえた英語に対して頭で考えずに反射的に口から英語が飛び出すレベルにまで上達するには、ネイティブと何度も話すことが1番の近道というのは間違いない。
果たして本当にそうなのか?
一見正論のようだが、実は大間違いである。
英語を学ぶには段階がある。
TOEICは意味がない!
世間では、TOEICのスコアが低い人ほど、『TOEICで高得点を取っても意味はない』言うが、実は大いなる誤解である。
TOEIC800点まではTOEIC対策に集中しよう!
英文法や基本的な単語を覚えないまま英会話の勉強を始めると、最初はスムーズに実力は伸びていく。
しかし、ある時にパッタリと成長が止まりそれ以上、英会話が伸びなくなる。
それは英語の基礎力がないためだ。
こちらが英会話の成長速度である。
そのため、英語の基礎力が身につくまでは徹底的に基礎に集中しないといけない。
その基礎が『TOEIC800点』だ。
TOEIEC800点は一般的には高得点だが、ビジネス英語のゴールではなく、ビジネス英語のスタートラインということを知っておこう。
ましてや人気の企業に入社して海外との仕事の取引で英語をペラペラと話せるようになりたいなら英語力の基礎体力がやっと着いたというレベルだ。
英会話教室に通うのが1番効率が良い
英会話で行うことは会話(アウトプット)である。
会話(アウトプット)をスムーズに行うためには覚えること(インプット)が先だ。
そのため、覚えること(インプット)を飛ばして会話(アウトプット)を学ぶために英会話教室に通うことはとても費用対効果の悪い投資になる。
しかも、英会話教室で初心者向けに話す英語は非常に簡単な英文だ。
例を出しますと、こんな感じである。
『He came back to Tokyo.』
発音を書くと
『ヒイケイバットゥトーキョ』
となる。
こんな簡単な英文を10前後、聞き取るために英会話教室で2500円以上かけて1レッスンに通うぐらいなら市販の教材でシッカリ聞き取れるようになってから通う方がよっぽどコスパが良い。
だから、英会話をできるようになるには会話(アウトプット)前に覚えること(インプット)が大事という点をシッカリと理解しよう。
英会話教室はTOEIC800点を超えてから通うようにしよう。
英会話スクールはアウトプットの実践の場所として活用すると、非常に費用対効果が高くなる。
勘違いしないでほしいのは英会話の学校に通うことで直接欧米人と話す機会が得られるメリットはめっちゃ大きい。
ただ、それはTOEIC800点を超えてからという条件付きだ。
初心者がとりあえず英語学習をしたいから英会話スクールのビジネス英語でも習っておこうと考えて通うのはただの自己満足にすぎない。
たくさんの英語教材をこなす方が良い
英語教材で数をこなす方が良いのは上級者です。
初心者(TOEIC600点以下)は、厳選した1~2冊の教材を徹底的に使い倒して下さい。
たくさんの英語教材をこなせば、たくさんの表現方法を学べて、語彙力も増えます。
しかし、初心者(TOEIC600点以下)に大切なことは、まずは英単語を聞こえたら、スムーズにその意味を思い出せることです。
特定のシチュエーションで特定の言い回しを覚えて使えるようになることです。
そのため、自然と英語が口から出てくるぐらいまで同じ教材を徹底的に使い倒しましょう。
自然と英語が出てくるほどの英語力を身につけたければ、単語だけでなく、聞き取れるリスニング力、繰り返し話せるスピーキングの練習。
この全てが一連の流れで勉強できる英語の教材を選ぶことです。
さらに理想を言えば、1つの会社で英語の学習の理論をしっかり学んだ人が総合で一貫して作った教材であることがベストです。
違う会社で別々の先生がバラバラに作成した教材だとカリキュラムもバラバラになるので効率が悪くなります。
ただ一般の書店にそのような英語の教材は残念ながらありません。
1社が総合的に作ったものはあっても価格が高すぎたり、追加で購入しないといけなかったりと実際には、話せるようになるまでにかかる費用はかなり高額になります。
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