暴力をふるうパワハラ上司に苦しめられた日々
難癖を付けてマウスを投げるパワハラ上司
私が大学卒業後に最初に勤務したのが税理士事務所でした。
入社した直後はちょうど閑散期ということもあり、社内は和気あいあいとしたムードで穏やかでした。
でも、9月を過ぎた辺りから忙しくなりだすと社長の本性が見え始めました。
ある先輩のAさんが7月に退職して新しく転職した会社から電話をかけてきました。
どうしたんだろう?
と思って話を聞くと、
税理士事務所の退職手続きをまだやってないみたいだから、新しい会社で雇用保険に入れなくなってて困ってるんだよ。
早く退職手続きをやってくれるよう社長に言ってくれないか。
ビックリして、電話の内容を上司に告げました。
私は、その日中に雇用保険と社会保険の退職手続きを完了しました。
上司にそのことを報告すると驚くような発言をされました。
おぉ、手続き早かったな
お、久しぶりに褒められたのか♪と内心うれしかったのですが、次の瞬間です。
いつもチンタラチンタラ動いとるお前がなんで今回だけこんなに早いんや!
と言って急にキレたかと思うと、私に向かってマウスを投げつけてきました。
驚きですよ。
とっさ的に避けたので私には当たりませんでしたが、社内の窓ガラスが割れて、マウスも粉砕です。
その上司は突然切れるというので、職場では有名な人でしたが、まさか会社として遅れていた先輩の退職手続きをしたらマウスを投げられるとは思いませんでした。
そもそも2か月前に終えてないといけないものが終わってないから、私が担当でもないのに忙しい中、急いで手続した私がなんで怒られるんだ?
挙句に、
さっさとガラスとマウスを片付けろ!
と怒鳴られてきて、頭に来た私は深呼吸しながら片づけ、その3か月後に会社を辞めて転職しました。
話も聞かず人前で罵声を浴びせてビンタしてきたパワハラ上司
メーカーの人事部に勤務していた頃のことです。
仕事そのものはやりがいはあったのですが、毎日深夜0時まで続く執行役員O氏からのコミュニケーションという名の強引なアフター5の誘いに嫌気がさしてモチベーションは下がりっぱなしでした。
そんな時、常務執行役員から面白いテーマの課題をもらいました。
『会社を変えるならどんな人材が必要か』
というテーマでレポートを出すことです。
付け足して言われたのが、
『社内のいろんな部署の人に話を聞いてまとめなさい。
そして、社内の問題点も併せて教えてほしい。』
常務に出せるレポートなんてめったにありません。
意気揚々ととりかかります。
でも、いきなり他の部署の人に『どんな人材が必要か』なんて聞いても驚くだろうから部門長である部長クラスの人に常務のYさんからの指示であるという旨を伝えて時間を取ってもらい丁寧にまとめていきます。
3週間ぐらいかかりましたが、レポートがまとまりかけた頃です。
執行役員のO氏が鬼のような顔をして近づいてきたと思ったら、
バチーーーン!!
人前で急にビンタです。
お前は何勝手にレポートなんか作ってるんだ!
俺に話を通したのか!
常務のYさんからレポートの課題を言われたとき、執行役員のO氏は横で聞いていたクセに知らないと言い出す。
さらに、
お前のせいで社内中に社員を総入れ替えするというウワサが流れてるんだぞ!
お前が聞きやすい人にしか聞かないからこんなことになってるんだ!
もう意味不明です。
常務執行役員にYさんから命令であること、部門長にヒアリングしたことを冷静に1つずつ説明しました。
しかし、『言い訳』と捉えられて1時間ちかくひたすら大声で怒鳴り続けられました。
本気で殴ってやろうかと思いましたが、思いとどまった自分を褒めてやりたいです。
そこに常務執行役員のYさんが来ました。
執行役員のO氏は急に大人しくなると何も言わずにタバコを吸いに出て行きました。
O氏とは折り合いが悪く、最後には退職勧奨を受けたのでボーナスだけ全額もらって転職して今の会社にいます。
パワハラ上司の行動は6つのパターンに分けられる
1、身体に対して攻撃してくるパワハラ
目に見える典型的でわかりやすいパワハラです。
殴る、蹴る、胸ぐらを掴む、物を投げつけてくる、机をひっくり返すなどのいわゆる暴力・傷害です。
物を投げつけて来られた場合、自分の身に当たらなくても暴行罪になります。
また、意図的に汚れたものを食べさせるなどの行為も暴行罪、体調を崩せば傷害罪になります。
2、精神的に攻撃してくるパワハラ
罵声を浴びせる、侮辱してくる、脅すなどの言葉による暴力です。
こういった内容は、上司は叱咤激励のつもりだったと逃げる可能性があります。
また裁判になった場合は、緊迫した状況が伝わらないと『よくあること』で軽度な罰しか与えられません。
だから、ICレコーダーで録音しておきましょう。
3、無理難題の過剰な要求してくるパワハラ
勤務時間は午後6時なのに、午後5時を過ぎてから、明日までにレポート50枚を仕上げておくよう指示するなど、絶対に達成できるはずのない、終わらない仕事やノルマを与えることはパワハラになります。
4、プライベートを侵害してくるパワハラ
プライベートでの行動を監視したり休日に会ったり飲みに行くのを強要してくるプライベートを壊してくるパワハラです。
最近、多いのがLINEやFacebookで友達になるよう指示したり、投稿内容に修正や削除を言ってくるのもパワハラです。
仕事上の機密を漏らしているなら別ですが、プライベートでの内容を制限されることはあってはなりません。
なお、これが男性上司が女性に対しての場合はセクハラになることがあります。
5、雑務や微小な仕事だけをさせるパワハラ
私が実際にされたパワハラの1つですが、ひたすら段ボールを畳むだけ、ずっとコピーを取らせるだけや、仕事はシュレッダーかかりなどあきらかに誰でもできるような雑務だけを強要してくるのも立派なパワハラです。
6、人間関係の切り崩しや立場を利用したパワハラ
これも私が実際にされたパは(笑)ですが、会議中に無視したり、ミーティングの内容を伝えなかったり、仕事を教えないなどの仲間外れを行って人間関係をつぶしてくるのはパワハラです。
また、『あいつとは口をきくな』、と言われたり『あいつを退職にさせるから関わるな』という発言もパワハラです。
暴力をふるうパワハラ上司から身を守る基礎知識
世の中には想像を超えた異常なパワハラ上司は確実にいます。
職務上の地位が上になると偉くなった気分になるんでしょうね。
部下を家来か奴隷のように扱ってきます。
でも、当然ですがそんなのが許されるわけではありません。
まずはパワハラ上司から身を守るための基礎知識を入れておきましょう。
暴力をふるうパワハラ上司に法律で知的武装
会社は社内で起きたことは社内の問題で解決させようとします。
いわゆる会社内の聖域化です。
でも、当たり前ですが、会社で起きたことも法律の対象範囲に入ります。
だからまずは職場で自分が受けた仕打ちが法律的にどういう問題になるのかを調べましょう。
暴力や暴言を受けると間違いなく刑法の対象になります。
刑法第230条 名誉毀損罪
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。刑法第231条 侮辱罪
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。刑法第204条 暴行罪・傷害罪
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
暴力を受けた場合は、すぐに医者に行き、診断書をもらいましょう。
診断書は立派な証拠になります。
刑法で上司や会社を処罰してほしい場合の対処法はこの記事の後ろで説明します。
また、民事上では、不法行為に基づく損害賠償請求(民法第709条)ができます。
民法第709条 損害賠償請求
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
犯罪者に傷つけられた場合に、犯罪者が刑法で罰せられるだけでなく民法上でも損害賠償の請求を受けているのを聞いたことがあると思います。
それと同じことを会社に対して行えます。
さらに、会社という性質上、上司だけでなく会社に対しても損害賠償を請求できます。
民法第715条1項本文 会社への損害賠償請求
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
実際に会社に対して損害賠償請求を行って、被害者が勝てた判例はたくさんあります。
業務の分担を巡るやりとりに起因した暴行は、業務の執行につきなされたものであり、加害社員と共に使用者も損害賠償責任を負うとされた事案
〔アジア航測事件(解雇無効確認等請求事件):大阪地裁平13.11.9判決〕
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/07881.html塾講師が、有給休暇取得を申請したところ、上司が有給申請により評価が下がるなどと発言して有給休暇取得を妨害したこと、総務部長や会社代表者らが上司の行為を擁護した発言などが不法行為に当たるとして、上司、総務部長、会社代表者及び会社を相手取り、損害賠償を求めた事案
〔日能研関西ほか事件(損害賠償請求控訴事件):大阪高裁平成24年4月6日判決〕
https://www.zenkiren.com/Portals/0/html/jinji/hannrei/shoshi/08885.html
さらに、上司や会社だけでなく、上司の上長である役員に対しても損害賠償請求をできます。
会社法429条1項 役員への損害賠償請求
役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
このように上司からのパワハラで身も心も傷ついた場合は損害賠償はできますので、まずは安心してください。
さらに、上司からのひどいパワハラ行為によって、結果的に退職せざるを得ない状況に追い込まれて退職してしまった場合には「特定受給資格者」(雇用保険法第23条第3項第2号)が適用され、雇用保険法上の失業給付を受けられることがあります。
雇用保険法第23条第2項第2号
2項前項の特定受給資格者とは、次の各号のいずれかに該当する受給資格者(前条第二項に規定する受給資格者を除く。)をいう。
2号前号に定めるもののほか、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く。第57条第2項第二号において同じ。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職した者
雇用保険法:電子政府の総合窓口
雇用保険法施行規則第36条
法第二十三条第二項第二号の厚生労働省令で定める理由は、次のとおりとする。
8.事業主又は当該事業主に雇用される労働者から就業環境が著しく害されるような言動を受けたこと。
雇用保険法施行規則:電子政府の総合窓口
このように法律として上司は権限を逸脱して部下に暴力や罵声を浴びせることはできません。
逆にそんなことをすると気軽に訴えられてしまうということを知っておきましょう。
暴力をふるうパワハラ上司の証拠を取れ!
ただし、法律の力でパワハラ加害者に責任を追及するためには、証拠が必要になってきます。
法律で争う場合には、第三者である裁判所が『パワハラの事実を認定』しないといけないからです。
そのため次の4点は必ず記録に残しておきましょう。
「いつ(When)」
「どこで(Whree)」
「誰に(Whom)」
「どのようなパワハラ行為を受けたのか(How)」
この4点は日記などで具体的に残すか、できればボイスレコーダーで記録しておきましょう。
なお、ボイスレコーダーで録音する際には上司の許可はいりません。
上司や会社はあなたの無知を利用して『隠して録音しても証拠にならない』と言ってくることもありますが、大うそです。
こっそりと忍ばせて録音してもちゃんと証拠になりますのでご安心ください。
また、理想を言えば、あなたがパワハラに遭っていたという事実を『直接見たり、聞いたりした第三者』がいれば協力してもらいましょう。
あなたが受けたパワハラを証明してくれる有力な証拠になります。
ただその人は会社に残ると不利を受ける可能性があるため、事実上、難しいと思ってください。
さらに、パワハラの分類のところでも書きましたが、パワハラが原因でストレスで鬱になったり、もしくは上司からの暴力でケガを負った場合、医療機関に受診して医者から診断書を出してもらいましょう。
裁判ではどの程度のケガを負ったのかという点が罰の重みや損害賠償請求の金額に影響します。
そして、これらの証拠をそろえた後に刑事上の責任追及をする場合には警察署に告発します。
警察の悪口を言うつもりはありませんが、彼らは忙しいので告発するときには、『どうしてほしいのか』を明確に示す必要があります。
よくあるのが『被害届』だけを出すという方法ですが、お勧めしません。
被害届は、あくまで『被害があったという事実を届け出るだけ』です。
警察はそれだけだと基本的に動いてくれないと思ってください。
相手を罰してほしい場合は、『刑事告訴』する必要があります。
刑事告訴を行って初めて警察は動いてくれます。
ただ、警察も仕事を増やしたくないので刑事告訴を受け取らない場合があります。
そういう時は、管轄の検察庁に直接、刑事告訴を出しましょう。
あなたを傷つけた上司を加害者として法律で裁きたいのであれば、あくまでも告訴状として提出することが必要です。
併せて、民事上の損害賠償請求を行います。
まずは、内容証明を送りましょう。
いきなり民事訴訟でも良いのですが、お金がかかりますので会社の出方をうかがうために内容証明を送りつけます。
そして、期限までに回答を要求します。
それでも対応が進まないなら、精神的慰謝料、会社に勤務できなくなったら経済的損失や治療費の損害賠償を民事裁判として裁判所に告訴します。
暴力をふるう上司に暴力で対抗してはいけない
そして絶対にやってはいけないことをお伝えします。
それは、『上司の暴力に対してあなたは暴力で対抗してはいけない』という点です。
暴力に対して暴力で対抗すると、あなたも犯罪者になってしまいます。
最悪の場合、会社内での暴力行為は上司にとって都合の良いようにまとめられてあなただけが悪者になってしまいます。
苦しくて辛くいでしょうが、暴力をふるうパワハラ上司を懲らしめたければ、手を出さないという点を絶対に肝に銘じてください。
暴力をふるうパワハラ上司への復讐方法マニュアル
1、労働組合、社長や役員へ相談
暴力を振るわれたら良識ある会社なら通常は労働組合や社長、役員に相談すれば、上司は社内で罰せられて見舞金などを取れることがあります。
実際に、人事部にいた頃、上司が部下を叩いた事例があり、やはり会社として被害者である部下に見舞金を渡して、上司は降格と減給処分になりました。
2、労働基準監督署へ通報
労働基準監督署は本来、労働基準法に基づき、労働条件や安全衛生の改善・指導、労災保険の給付などの業務を行う機関です。そのため労働基準法違反がないような、いじめやパワハラを解決する機関ではありません。
ただ、労働基準監督署の建物内には『総合労働相談コーナー』という相談窓口があります。
総合労働相談コーナー自体は相談や助言に留まりますので、会社との問題を直接解決してくれるわけではありませんが、相談内容や事案に応じて、解決方法を提示してくれます。
例えば、会社との話し合いが必要な場合は、労働局長による助言・指導や紛争調整委員会によるあっせん制度の案内をしてくれます。
労働者から相談があった際に、相談窓口ではまず社内解決が図れるかどうかを判断します。
労働者が受けたパワハラはどういうものか
労働者が受けた損害はどの程度か
会社のコンプライアンス窓口に相談したか
会社に相談した結果、どんな対策は取られたか
対策を講じた結果、問題は解決されそうか
などを調査したうえで、総合的に判断した結果、当事者間での解決が難しいと判断した場合は、第三者解決機関による解決を勧めることになります。
具体的には紛争調整委員会による被害を受けた部下とパワハラを行った上司のトラブルをあっせんしてくれます。
あっせんなんかで本当に解決するの?
と思うかもしれませんが、想像以上に効果的です。
会社はこういったパワハラが表ざたになるのを非常に嫌がります。
会社のブランドが傷ついたり、社員が採用できなくなるためです。
そのため、なるべくあっせんの段階で丸く収めようとします。
3、警察署へ通報&民事裁判
あっせんでもどうにもならなければ警察署へ通報して、民事裁判を起こすことになります。
この方法は有効であることに違いはないのですが、ハッキリ言ってめっちゃ時間がかかります。
刑事事件として処理されれば後は警察が操作して検察官が動いてくれますが、あなたは裁判の際に被害者として出廷したり、事情聴取を受けたりと想像以上に時間を取られます。
また、民事裁判も1年や2年はかかり、弁護士を雇ったり裁判費用もかかります。
損害賠償請求するときは請求する金額の数%を裁判所に支払う必要があるのを知らない人もいます。
だから、上司からのパワハラで大けがをした場合以外は、裁判は実は自分の人生も浪費してしまう難点があるんです。
では上司や会社に効果的に復讐するとっておきの方法を教えましょう。
4、最短で急に退職して転職する
退職すると、『泣き寝入り』した気分になって悔しいかもしれません。
でも実はこれはとっても有効な復讐方法です。
会社は人材の採用難のため、社員が辞めることを心から恐れています。
また、パワハラで辞めた人がいるというウワサは社内で一気に広がり、残っている社員も動揺しモチベーションが下がります。
下手をすると一斉退職にもつながります。
パワハラしてきた上司に対してこちらが義理立てする必要はありません。
民法では退職日の2週間前までに会社に通告すれば退職できると規定されています。
民法 第627条1項
期間の定めのない雇用の解約の申入れ
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法:電子政府の総合窓口
でも実際のところ、会社が2週間であなたに代わる人材を確保することは、ほぼ不可能です。
人材の募集、書類選考、面接、内定、入社までは早くとも1か月から3か月以上かかります。
その間、上司はあなたがやっていた仕事をやらざるを得ず、負担が増大します。
会社が退職を認める必要はありません。
理想的な方法は内容証明で退職日を記載して会社に送り付けることです。
こうすると、会社は退職について何も聞いていないと言うことができません。
パワハラ上司への対応のまとめ
いかがでしたでしょうか。
私も税理士事務所で法律がらみの仕事はよくこなしておりましたのでよく分かりますが、法律はあなたを守ってくれるようにできています。
でも、法律の難点は時間がかかるということです。
嫌いな会社とパワハラ上司にあなたの限られた貴重な人生の時間を浪費するなんて馬鹿げています。
だから、パワハラを受けたらすぐに辞めて次の転職先を探すことが一番、賢いやり方です。
上司や会社に対する最高の復讐は、
『お前なんて役に立たない!
と言っていた上司を見返してやること』
です。
だから、泣き寝入りしろと言っているわけではありません。
自分の幸せを第一に考えて行動した方が絶対に徳だと気づいてほしいのです。
パワハラで傷ついて身も心もボロボロになっている時に自分の幸せを第一に考えた冷静な転職はやりにくいでしょう。
だから、転職エージェントに相談して、転職のお手伝いをしてもらいましょう。
おすすめは、企業や転職市場の正確な情報を握っている転職エージェントです。
私も転職の際はたびたびお世話になりました。
転職にふさわしい時期か、どんな求人があるかを非公開求人なども教えてくれる転職エージェントに相談することを強くお勧めします。
パワハラ上司のいる会社を離れて転職に成功した人の上手な進め方
もし、自分の身を守るために転職を考えているなら、くれぐれも在職中に転職活動を始めてください。
律義な人ほど退職してからゆっくり転職活動を行おうとしますが、賢いやり方ではありません。
実際に私が人事部にいた頃に転職の面接に来た人の3人に1人は在職中に転職活動をしていました。
その方が転職予定の会社と交渉を有利に進めやすくなります。
でも、土日も仕事を持ち帰るほど忙しいのに、転職活動なんてできるわけないと思うかもしれません。
そんな問題は簡単にクリアできます。
転職エージェントを利用することです。
転職エージェントとは、あなたに代わって、あなたにあった会社を調べてくれて、あなたが応募したい会社を連絡すれば書類を送ってくれます。
さらに、面接に日時の調整もしてくれます。
もちろん全て無料です。
転職エージェントについて詳しくはこちらを読んでください。
もちろん退会も簡単です。
だから、私のおすすめは今すぐ転職する気持ちになれなくとも、退職してから転職活動を始めるのではなく、辞めたいと思ったときから会社情報を仕入れるために、まだ在職中に転職サイトに登録しておくことです。
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1つ目は、実際に転職を3回経験したので分かりますが、退職までに溜まったストレスや疲労は半端ないためです。
限界に達すると転職サイトに登録する気力すら無くなります。
2つ目の理由は、転職せず自宅でゆっくり過ごす生活に慣れると転職へのモチベーションを戻すのは想像以上に大変だからです。
3つ目の理由は、退職後に空白期間を作ってしまうためです。
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