退職代行ってなに?
退職代行とは、退職する意思を固めて会社に明確に辞める旨を伝えているのに会社が辞めさせてくれない場合、
または、『辞めたい』と言いづらい職場の場合に退職希望者に代わって退職の意思を伝えて退職を実現してくれるサービスのことです。
退職代行のサービスってどんなことをしてくれるの?
退職代行のサービスは、業者によってサービスの範囲が変わってきます。
一般的な退職代行サービスは、
『退職したい人(依頼主)に代わって退職の意思を伝える』
というのみです。
退職代行に依頼するメリット
- 顔を合わせたくない上司や同僚がいてもスムーズに退職できる
- 無駄な引き止めに合わなくて済む
- 1週間以内にすぐに辞めたい時にすぐに辞められる
とにかく日本はなぜか本人が辞めたいと言っても退職しにくい変な国です。
世界広しと言えど、自由に退職できない国なんて日本ぐらいですよ(笑)
その点、退職代行を利用すれば、自分に代わって退職の意思を伝えてくれるので、会わなくてするというのは精神的に安心です。
アメリカなんて引き止めはほとんどありません。
サラリーマンが辞める時のアメリカと日本の違いがめちゃくちゃ分かりやすく解説してくれているのがこちらです。
日米比較!会社を辞める時の日本人サラリーマン vs. アメリカ人セールスマン パワハラ上司と理想の上司の違い
日本では、会社を辞めようとすると、ほぼ必ず引き止めに会いますが、その理由は大きく2つあります。
会社の都合で退職を引き止める
- 人員も足りてない時に辞めるなんて非常識だ!
- 忙しい時期に辞めるなんて何を考えてる!
- 会社がどれだけお前に投資してるか分かっているのか!
ハッキリ言って、『だからどうした』という話です。
会社も業績が悪くなったら社員の都合を考えずリストラするんだから社員が自分の都合で辞めて何が悪いんだと思います。
本人の人生に過干渉してくる
- 今ここで逃げたら一生何も残らないぞ!
- 君の成長のためにも少なくともあと2~3年はがんばってみろ!
- こんな安定した会社を辞めたらご両親も悲しむぞ!
余計なお世話です。
だいたい、『成長』うんぬんを口にしてくるような会社や会ったことのない親を引き合いに出すなんてのは、辞めると他の社員に負担が回って会社が大変になると言えない上司の口実にすぎません。
だから、こういった時に退職代行サービスを利用すればスムーズに退職できてストレスもありません。
ただし。
2つ問題があります。
- 退職代行業者から退職の意思を受けた会社は本当に本人の意思なのか分からない
- 法律上の問題が取り立たされている
参考:退職代行業者から連絡が来た場合の会社としての正しい対応方法
退職の意思を伝える方法は電話であったり手紙などで本人に代わって退職手続きの補助(退職意思の伝達)を行ってくれるのですが、この点で法律上、退職代行サービスは問題があるんじゃないのかと言われています。
その根拠は弁護士法72条の非弁行為にあります。
弁護士法72条
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
弁護士法
分かりやすく言えば、弁護士の資格を持っていない人は争いのある事案でお金をもらって代理人になることはできないということです。
退職代行を法律家以外は行うと違法!?
退職代行サービスは違法だ!
退職代行は弁護士法にある非弁行為に当たるからアウトだ!
弁護士法72条を根拠に、退職代行は違法であると主張する人は法律家を中心にたくさんいます。
実際に、『会社を辞めさせてくれない』ということは、すでに会社と何らかのトラブルを抱えている可能性が高いわけです。
そのトラブルの間に入ってお金をもらって退職の意思を伝える代理人になるわけだから弁護士法72条の非弁行為に該当するという主張です。
私が勤務していた税理士事務所でもこんな事例がありました。
課長の女性が突然辞めた時、社長は退職手続きを意図的に放置し、彼女の備品を返送もせず事務所の倉庫にずっと放置しつづけました。
結果的に4ヶ月以上過ぎてからようやく退職手続きに入りました。
大きい声では言えませんが、この税理士事務所はブラック企業でした(笑)
でも、このような会社の場合は、退職したい人と会社で揉めているのが確実なので、仲介すると弁護士法72条に該当して違法となります。
そのため、法律家に依頼する方が確実です。
退職代行ができるのは弁護士だけ?司法書士と行政書士はできない!?
まず、結論から説明すると、代理を行えるのは次の3つです。
- 争いがある場合:弁護士
- 140万円未満の争いがある場合:認定司法書士※
- 争いのない権利義務の書類作成:行政書士
つまり端的に言えば、辞めるかどうかで会社と争いになった場合にオールマイティーに対応できるのは弁護士だけです。
司法書士は140万円未満という条件付きです。
『カバチタレ(田島 隆:著)』を読んで、行政書士も争いのある事案について代理人になれると勘違いしている人がいますが、行政書士は争いのある事案については一切代理人にはなれません。
※認定司法書士についてはこちらをご覧ください。
なお、今回の記事では便宜上、認定司法書士を『司法書士』と略して書かせて頂きます。
<2002(平成14)年 簡易裁判所における訴訟代理等を行う業務が付与される>
司法書士法が大幅に改正された。 その改正内容は多岐にわたり、法務大臣が指定する法人が行う研修を修了し、法務大臣に認定を受けた司法書士は簡易裁判所における事物管轄を範囲内とする民事訴訟、 調停、即決和解等の代理、法律相談、裁判外和解の代理を行うことができる規定が新設された。
日本司法書士会
退職代行サービスの弁護士・司法書士・行政書士の料金の比較と異なる理由
- 弁護士 5万円+成功報酬
- 司法書士 3~7万円
- 行政書士 3~5万円
弁護士に退職代行を依頼するのが一番高くなることはほぼ間違いありません。
その次に司法書士、行政書士と続きます。
では、なぜ弁護士が一番高くで司法書士、行政書士となるに連れて安くなるのか説明します。
弁護士の退職代行の料金
- 交渉代理ができる分、手間がかかるので高くなる
- 弁護士というステータスで割高になる
弁護士は法律的に代理人になることに制限はありません。
そのため、退職の意思の伝達だけでなく、会社と揉めた際にもそのまま代理人として対応できるオールマイティーな資格なので料金は割高になります。
司法書士が扱える案件は、140万円という上限がありますので未払い賃金が会った場合に金額がいくらになるのか考えながら依頼しないといけませんが、弁護士はその点を一切心配することがないというメリットもとても大きいです。
また、弁護士というネームバリューだけで料金が高くなるというのもあります。
司法書士の退職代行の料金
140万円以下なら弁護士と同じように交渉代理ができて、裁判所への訴訟書類作成ができる強みがあるため。
未払い賃金などの経済的利益が140万円を下回る場合には、弁護士と同じように退職代行の依頼を受けて、争いがあっても対応できる点が行政書士よりも高く、弁護士よりも安くなっている理由です。
20代でもボーナスが絡んでくるなら弁護士で金額が大きくならないなら司法書士でも十分対応できます。
行政書士の退職代行の料金
会社とトラブルになっていない退職に限られる上に、書類を作成してくれるが会社へ提出する際の書類の名義は本人なので手間が発生する分だけ安くなります。
行政書士は会社とトラブルになっていない場合と限定される上に、本人名義で書類を作成するというだけの場合がほとんどなのでその分、安くなります。
上司と顔を合わせたくないだけ、早くやめたいだけというように会社と紛争が起きない予定なら行政書士に依頼するほうが一番安上がりです。
もし退職代行を安く済ませたい場合には、もし会社と揉めた場合は弁護士や司法書士に依頼し直す必要があるという点だけ頭に入れてまずは行政書士に相談してみると良いでしょう。
弁護士・司法書士・行政書士ごとの退職代行のメリット・デメリット
弁護士に依頼するメリットとデメリット
ブラック企業など問題がある会社を辞める場合は一番安心
司法書士に依頼するメリットとデメリット
行政書士に依頼するメリットとデメリット
会社と争いになって交渉すると非弁行為として違法になる
行政書士で対応できないと弁護士に依頼する必要がでてくるので二度手間になる
退職代行を依頼するなら弁護士・司法書士・行政書士のどれがいい?
こんな場合は弁護士に退職代行がおすすめ
- 会社と揉めている
- ブラック企業で嫌がらせをしてくると予想できる
- 訴えてくる可能性がある
- 面会を要求してくる
- 未払い給料や退職金が140万円以上ある
まず、退職した従業員に対して会社側が慰謝料を求めて訴訟を起こしても勝てる見込みはほとんどありません。
逆に会社側に賠償責任が課されることの方が確率的には高いでしょう。
ただ、嫌がらせとして退職した社員を訴えるということはあります。
それがこちらです。
精神疾患で退職した従業員を訴えた会社が敗訴…逆に慰謝料支払う羽目に
過酷な労働のために「躁うつ病」を発症して退職したところ、会社から約1200万円の損害賠償を求める訴訟を起こされて精神的苦痛を受けたとして、IT企業で働いていた20代男性が、会社を相手取って、損害賠償を求めた裁判の判決が3月30日、横浜地裁であった。横浜地裁は、会社側の請求をすべて棄却。男性に対して110万円を支払うよう命じた。
引用:弁護士ドットコムNEWS
こういうことをしてきそうなブラック企業と思うなら弁護士に依頼しておくほうが安心です。
こんな場合は司法書士に退職代行がおすすめ
- 会社と揉めている
- ブラック企業で嫌がらせをしてくると予想できる
- 未払い給料や退職金が140万円未満である
会社と揉めているが、支払ってくれなさそうである。
さらに、未払い賃金などを計算しても140万円未満の場合は、司法書士の方が安上がりです。
こんな場合は行政書士に退職代行がおすすめ
※会社と揉めていないことが前提
- 上司が嫌いで顔を合わせたくない
- 繁忙期で会社が忙しい時期に退職を切り出す勇気がない
- 転職先が決まっているがどう伝えていいか分からないのでそっと辞めたい
ブラック企業ではないが、会社と顔を合わせづらいという人は行政書士に依頼するのが一番安く、手っ取り早い方法です。
ただ会社と揉めていないことが前提ですので、もし会社とトラブルになっているなら弁護士か司法書士に依頼しましょう。
退職代行の業者の選び方 5つのポイント
- 退職成功率は100%が当然
- 総額でいくらかかるのかを確認
- できれば弁護士、少なくとも行政書士が監修しているか確認
- 離職票までもらえるかを確認
- 会社に置いてある自分の備品を返送してもらえるか確認
退職成功率100%であることをアピールしている退職代行業者もありますが、退職できて当然です。
そもそも退職してはいけないなどという法律はありません。
最初に提示された金額が安くても、すぐに飛びついてはいけません。
総額でいくらかかるのかを最初に確認しましょう。
弁護士や司法書士、行政書士に依頼することが望ましいですが、できれば弁護士、少なくとも行政書士が監修しているかは確認しておきましょう。
離職票までもらえるかを確認しましょう。
退職できても離職票が無いと失業手当がもらえません。
すでに書きましたが、前職では会社の嫌がらせで離職票を4ヶ月以上も遅らせていました。
そうなったらもし、次の会社への転職先が決まっていても雇用保険に入れません。
会社に置いてある自分の備品を返送してもらえるか確認しましょう。
勝手に捨てられたら金銭的価値を計算して損害賠償となって余計に面倒になります。
おすすめの退職代行の業者3選
退職代行サービスSARABA | |
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行政書士の村吉勇介先生が対応されている退職代行サービスです。 相談回数無制限、24時間対応で即日退職可能な上に万が一、退職できない場合には全額返金保証もありますので、まずはSARABAに依頼して、その後に弁護士に依頼することになってもお金が無駄になることはありません。 |
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料金 | 27,000円(税込) |
資格 | 行政書士 |
返金保証 | ◯ |
評価 | [star5.0] |
公式サイト | https://taisyokudaikou.com/ |
退職代行サービス 汐留パートナーズ法律事務所 | |
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弁護士歴15年以上になる佐藤秀樹先生の他2名の弁護士が在籍されています。 コストは他よりも高くなりますが弁護士がワンストップで対応してくれる安心感は大きいです。 |
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料金 | 54,000円(税込)+成功報酬 経済的利益の20% |
資格 | 弁護士 |
返金保証 | – |
評価 | [star4.0] |
公式サイト | https://tsk.taishoku-service.com/ |
退職代行センター | |
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女性の司法書士の加陽 麻里布先生が対応してださるので、女性には特におすすめです。 | |
料金 | 30,000円(税込) |
資格 | 司法書士 |
返金保証 | ◯ |
評価 | [star4.5] |
公式サイト | https://asanagi.co.jp/lp/ |
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依頼しようかどうか迷っていると正直に言って連絡すればOKです。